「定年を目前にして父が亡くなりました。母と子ども二人で相続したのは預金と自宅のマンションだけです。ところが、マンションにはまだローンが残っていることがわかりました」
質問者様は就職したばかり。妹さんはまだ大学生で、お母さまも専業主婦でしたので、毎月のローンを払う余裕はなく、マンションを売却しようと査定のご相談でした。
査定の結果は2000万円。新築マンションで購入、10年以上返済していましたがローンの残りの債務はまだ2500万円ありました。このままの査定額で売却した場合、負債が500万円残ってしまいます。
残念ながら、この500万円も相続しなければなりません。
途方に暮れていた質問者様でしたが、お母様がマンション購入時の書類を調べてみたところ、亡くなったお父様はローンを組んだ時に「団体信用生命保険」に加入していたことがわかりました。
団体信用生命保険は、住宅ローンの名義人が、ローンの途中で亡くなったり、高度障害状態等、ローンを支払うことが不可能になった場合、ローン返済を団体信用保証会社が肩代わりしてくれる生命保険です。(健康状態などの審査があります)
被相続人が団体信用生命保険に加入していたので、質問者様一家は、マンションを手放さずに済み、ローン返済の心配もなくなりました。
相続財産の中に不動産が含まれている場合は、住宅ローンが残っていたり、被相続人が相続不動産を担保にお金を借りている場合もあります。被相続人の借金を相続したくない場合は相続放棄という方法もありますが、その場合はその他の遺産相続も放棄しなければなりません。
質問者様のように、団体信用保険に加入していたおかげで借金を相続しなくて済む場合もあります。また、相続してみたら、土地に抵当権がついていて、借金があることが判明する場合もあります。
相続が確定する前に、慎重に調べてみることも必要かもしれません。